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病気の一口メモ       

胃・十二指腸潰瘍

 

 胃や十二指腸の粘膜に穴があいてしまうものを潰瘍といいます。

胃液の中には、ペプシンという消化酵素と塩酸が含まれています。これらは胃や十二指腸の粘膜を傷つける力があるので攻撃因子と呼ばれています。

 一方、胃や十二指腸の粘膜には、攻撃から身を守るための防衛因子という抵抗力が備わっています。

通常はこの二つの因子がバランスよく保たれているため、 粘膜が傷つくことはありません。

ところが、何らかの理由でバランスが崩れると潰瘍ができやすくなります。

このバランスをくずす原因には、アルコール、コーヒー、消炎鎮痛薬、喫煙、ストレス、

遺伝的な体質などがあります。

最近ヘリコパクター・ピロリという細菌(以下ピロリ菌)が発見され、これが消化性潰瘍の

発症や再発を起こす原因となり、そしてピロリ菌の除菌療法が潰瘍の再発防止につながることがわかってきました。

 

  :上腹部の痛み(胃潰瘍は食後の痛み、十二指腸潰瘍は空腹時の痛み)、胸やけ、

吐き気、嘔吐、食欲がなくなる、体重が減少する

 

症状が悪化すると合併症をまねくことがあります。

潰瘍ができた場所が出血すると吐血したり、黒い便が出たりします。

出血の量が多いと血圧が下がり、意識障害を起こすことがあり、

また胃や十二指腸の壁に穴があき、破れてしまうときのお腹の激痛など、緊急の治療を必要とします。

 

:胃透視検査、胃内視鏡検査

 

:@薬物療法 H2ブロッカー ------------ タガメット、ガスター、アルタット

ザンタック、アシノン、

プロトンポンプ阻害剤 ---- タケプロン、オメプラール

 

     Aピロリ菌の除菌療法

プロトンポンプ゚阻害剤 (タケプロンカプセル)と抗生物質(クラリシット錠、パセトシン錠)を1〜2週間服用します。そして1ヵ月後にピロリ菌が完全に除去されたかを検査で確認します。

 

B手術療法

 

<胃・十二指腸潰瘍>

生活上の注意

食事について

@食事は3食を規則的にとり、胃の調子を整えましょう。

寝る直前の食事や夜食はやめましょう。

A暴飲暴食は慎みましょう。

B食事はゆったりとした気分で、よく噛みゆっくり食べましょう。

C食後30分〜1時間位は右を下にし横向きになって休みましょう。

D食事は栄養価が高く消化のよい、栄養のバランスのとれた食事内容に心がけ

ましょう。

  E極端に熱すぎるもの、冷たすぎるもの、味の濃いもの(塩分控えめ)、刺激

の強いもの(香辛料)、酸味の強いもの(酢の物、かんきつ類)はさけましょう。

Fコーヒー、炭酸飲料、アルコールは胃を刺激し、胃酸の分泌を高めますので

とりすぎないように心がけましょう。

 

     ☆ 低濃度のウイスキー(シングル)の水割り1杯位。

     ビールのような炭酸を含む飲み物は刺激が強いので避けましょう。

     コーヒーは空腹時は避け、飲む時はミルクをたっぷりいれましょう。

 

G調理法は揚げたり、焼いたりするより、煮たり、ゆでたり、蒸すほうが消化

によいです。

 

日常生活について

 @薬は中断すると再発しやすいので、指示通り服用しましょう。

@十分睡眠をとり、過労にならないように心がけましょう。

Aストレスは早めに趣味やスポーツで気分転換をはかりましょう。

     B禁煙しましょう。

C排便は毎日1回あるように習慣をつけましょう。

Dかぜ薬や鎮痛解熱剤の処方を受ける時は、潰瘍にかかっていることを医師

に申し出ましょう。

 

【潰瘍食の食品の選び方】

 

適している物

          

 

 

白身魚、はんぺん、鶏ささ身、半熟卵、温かい牛乳、スキムミルク、チーズ、豆腐、きなこ、ゆば、おも湯、粥、くず湯、うどん、食パンうらごしの野菜、野菜の煮物(じゃがいも、かぼちゃ、人参、大根)、おひたし、煮た果実、上質の植物油、マーガリン

 

適していない物

 

 

赤味の強い肉、焼肉、いか、貝、種の多い果物(いちご、いちじく)、

刺激の強い野菜(たまねぎ、ピーマン、ニラ、にんにく)、繊維の

多い野菜(ごぼう、セロリ、ふき、たけのこ)、生野菜、香辛料、

塩分の多いもの(漬物)、とくに甘いもの(あずきあん)、酢、梅干

20019

 

 

     〒212-0058 川崎市幸区鹿島田1133-15 

(医)はとりクリニック  羽鳥 裕

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