01/04/08 更新

HATORI CLINIC

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病気の一口メモ

心不全

 

 

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1] 分類 @NYHAの分類

NYHA(ニュヨーク心臓協会)の心臓機能の分類。

慢性心不全の重症度の分類(NYHA---T度〜W度)であり、自覚症状の 簡単な目安として用いられています。  

   T:身体活動に制限のないもの         

   U:軽度ないし中等度の制限のあるもの (日常動作で心不全症状を訴えるもの)       

   V:中等度ないし高度の制限のあるもの   (普通以下の労作で心不全症状を訴えるもの)       

   W:ごく軽度の労作および安静時にも心不全症状があるもの AKillipの分類       胸部の聴診器の診察(肺の呼吸音、心音)による心臓機能の分類。 病気の見通しを判断したり、治療の目安として用いられています。

[2]薬物治療 @強心薬 -----心臓のポンプ機能を強める。        ジギタリス、ジゴシン、ラニラピット A利尿剤 -----心臓の負担やむくみをとる。       ラシックス、アルダクトン   B血管拡張薬-----肺のうっ血と心臓の負担を減らす。 ACE阻害薬[レニベース、ロンゲス(ゼストリル)] AU遮断薬 [プロプレス、ニュ-ロタン、デオバン] [3]生活上の注意 @ 激しい運動や労働を避け、心身ともに穏やかに生活しましょう。 A 塩分を制限しましょう。 塩分の摂りすぎは心臓に負担をかけ、心不全を悪化させます。        NYHA---T     --- 塩分7g/日以下(うち調味料などとして、添加する食塩は4g/日以下) U(軽症) ---    〃             V(中等症)---   〃             W (重症) --- 塩分3〜5g/日以下、水分摂取の制限を行なう。 塩分の多い加工品や外食はなるべく避け、酢や香辛料を利用して、うす味 でもおいしく食べられるように工夫しましょう。 B 適正エネルギーを守り、食べ過ぎないように注意しましょう。         軽症、中等症---1500〜1800kcal、 重症---1000kcal         油脂類は植物油を使用し、良質蛋白質80g程度を目安に摂ります。 野菜や果物もバランスよくとりましょう。 C 心臓の負担を軽くするため、食事時間はゆっくりとりましょう。 また1回量を少なくし、1日4〜5回に分けて食事をするとよいです。 D アルコールは禁酒しましょう。 E 禁煙しましょう。 F 便秘を予防しましょう。 繊維の多い野菜(ごぼう、さつまいも、たけのこ、れんこん、セロリ)や 果物、コンニャク、海草類、きのこ類を充分に摂りましょう。 また、お腹のマッサージをしたり、緩下剤を服用しましょう。 (2001・3)      

 

 心不全とは、いろいろの原因で心臓のポンプ機能が低下したために、心臓がからだに必要かつ充分な血液を送りだすことができなくなったときに起こる状態です。

  心不全には必ず、心臓の機能障害を引き起こす原因となる病気があります。 心不全の原因となる病気は、心臓の筋肉そのものに障害が発生して起こるもの(狭心症、心筋梗塞、心筋炎、心筋症など)と、弁に障害が発生して起こるもの(僧房弁、大動脈弁の狭窄症、または閉鎖不全症など)があります。また高血圧による心臓病でも高い頻度で心不全が起こります。

 心臓の左心系(左心房、僧房弁、左心室、大動脈弁)に障害が起きる左心不全は、肺静脈のうっ血(血管内に血液が充満している状態)と全身へ送りだす血液量の低下によって起こります。比較的軽い場合には、運動やからだを動かした時の息切れや動悸、疲れやすさなどを自覚します。 重症になると安静にしている時でも動悸や息苦しさを感じたり、発作的に夜中に心臓ぜんそく(せき)などの症状があらわれます。

 一方、右心系(右心房、三尖弁、右心室、肺動脈弁)に障害が起こる右心不全は体静脈 のうっ血によって起こります。上肢、下肢やお腹に血液がうっ血して、首の静脈がはれてふくれたり、足のむくみ、お腹のはった感じ(腹水---腹腔内にたまった体液)、全身がだるい、食欲不振などの症状があらわれます。 慢性の左心臓機能低下では、左心不全に右心不全が合わさり両心不全となる場合があります。 心臓のポンプ機能障害が急激に起こったとき、急性心不全といい、急性心筋梗塞、重篤な不整脈、感染性心膜炎、症状もなく経過してきた弁膜症や心筋症などが、なんらかの誘因で急激に悪化して心不全におちいった場合などです。 心臓のポンプ機能障害が徐々に起こった場合は、慢性心不全といい、異常なうっ血状態を伴うことが多いため、慢性心不全はうっ血性心不全ともいい、ほとんどの心臓の病気が含まれます。 息切れ、動悸、疲れやすさ、足のむくみ、夜中のせきなどの症状は、心不全の危険信号です。からだを動かした時の息切れや週末の疲れなどは過労と自己判断をしがちですが、早めに検査や治療を受け、心不全も早期発見、早期治療を受けることが大切です。

[                 〒212-0058 川崎市幸区鹿島田1133-15 (医)はとりクリニック  羽鳥 裕 TEL&FAX 044-522-0033 mailto:yutaka@hatori.or.jp http://hatori.or.jp/

 

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