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ANBP(Australian National BloodPressure)研究は、1980年に発表された降圧薬の長期的有用性を証明した草分けともいえるトライアルで
ある。
それから約20年を経て高齢者
の高血圧に対する従来薬の代表格であ
るサイアザイド系利尿薬とACE阻害
薬の脳心血管合併症予防効果を比較し
たANBP-2が発表された。試験対象
者は65〜84歳(平均72歳)の未治
療高血圧(160/90mmHg以上) 6,083
例である。試験はPROBE方式で行わ
れ、平均追跡期間は4.1年である。In-
tention-to-treat解析結果は、1次評
価項目である致死的および非致死的心
血管イベントの発生はACE阻害薬群
では55.8%にみられ、これは利尿薬群
の59.5%に比べて11%有意に低下し
ていた(ρ=O.05)。
合併症別の解析では、心筋梗塞は
ACE阻害薬群で有意に減少した
(ρ=0-04)が、致死的脳卒中に関して
はACE阻害薬群のほうが1.91倍も多
いという結果であった(ρ=0-04)。
男女別に分けて分析すると、男性では
ACE阻害薬による全イベントが17%
有意に減少していたのに対して、女性
では同程度の降圧であるにもかかわら
ず対照群との間に差がまったく認めら
れなかった。このことから、発表者の
豪州フリンダース大学のWing博士
は、高齢者に対するACE阻害薬の脳
心血管合併症予防効果には性差がある
と締めくくった。
PHYLLIS(PlaqueHypertension
LipidLoweringItalianStudy)は、
食事療法を行っているものの高脂血症
を併せもつ高血圧の症例を対象に、利
尿薬とCa拮抗薬Fosinoprilの頸動脈
内膜肥厚に対する予防効果を比較し、
さらにスタチン薬を追加することの有
用性について3年間、追跡・検討して
いる。その結果、Ca拮抗薬は利尿薬
に比べて動脈硬化の進展予防効果が明
らかであり、さらにスタチン薬を追加
しても有用性の増加は認められなかっ
たとイタリアの重鎮Zanchetti博士が
発表した。
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ANBP
(Australian National Blood Pressure)
PHYLLIS
(PlaqueHypertension
LipidLowering
ItalianStudy)