00/12/09 更新
HATORI CLINIC
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血圧は
単位はmmHg(ミリメートル水銀柱)であらわします。
たとえば、動脈が切れたとすると、そこから、上の血圧が120mmHgあるひとならば、120×13.9で メートルの高さまで、噴水のようにあげることができます。また、もし40mmHgしかないと、心臓から頭の高さまで50センチメートルまで届かせるのもやっとということになります。
低血圧の人が、急にすくっと立ちあがると、めまい発作が起きるのは、こんな理由もあります。
上の血圧(最高血圧、収縮期血圧)は、心臓の収縮するときの力を示します。心臓から血液が押し出されて、大動脈から、少しずつ分岐して細い動脈に圧力が伝わって行きます。これを上腕動脈で計ったり、橈骨動脈でも計ることがあります。
下の血圧(最低血圧、拡張期血圧)は、先ほどの分岐した動脈が、最も末梢の細動脈というところに、血流をコントロールする筋肉があり、ここが締まりすぎていると下の血圧が上がってきます。つまり、下の血圧が高いと、脳や筋肉など目的臓器にとっては、酸素不足、栄養不足になります。
ですから、下の血圧を、下げてあげることは、栄養を良くまわしてあげるという意味でも大事なことです。
ただし、動脈硬化のない人は、心臓から出る大動脈の血管がしなやかで弾力がありますので、ゴムまりのように心臓から出てきた血液をやわらかクッションのようにうけいれますので、腕などで測る血圧は、ずっと下がるのです。
血圧計には、いろいろな種類があります。
多くの血圧計は、血管雑音を聴くオシログラフ法と、 法、 法、さらに組み合わせて判定するなどがありますが、
また、計る場所も、上腕部(二の腕)、手首、人差し指等の機械がありますが、できれば太い動脈のある上腕部がもっとも正確です。
指ではかる機械は、指の細い動脈は、動脈硬化などがおき始めている人は、実測の値より低く出てしまって、自分で判断することは危険です。
また、血圧計のマンシェットは、心臓の高さになるようにします。つまり、腕を上げたり、横向きになって計るのは正確にはかれません。
できるだけ、毎日、起床後30分以内に、朝食前と就寝前にはかるとよいでしょう。朝、薬を飲んでいる人は、飲むまえに計りましょう。
1.米国合同委員会第6次報告 アメリカ
準備中
2.WHO/ISH ヨーロッパ型
3.日本案 藤島九州大教授
高血圧治療の新しいガイドライン
JNC−Y と WHO/ISH
世界保健機構(WHO)と国際高血圧学会(ISH)が共同できめている高血圧の管理指針(ガイドライン)が6年ぶりに改定されました。
1993の前回の指針と比べると、降圧目標が かなり 低めになっています。 いくつかの世界的な高血圧の治験にもとずいて、高齢者もすべて、140/90mmHg未満、理想は、130/85mmHg未満であると報告されています。 また、今まで複雑であった高血圧の定義と分類を、1997のアメリカ高血圧合同委員会第六次報告(JNC-Y)と、ほぼ一致させています。 また、患者の予後に影響を与える血圧のレベル以外の危険因子をあげて、層別化しています。 また、高血圧治療の薬物選択のために、利尿薬、ベータ遮断薬、アルファ1遮断薬、アルファベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシンU受容体拮抗薬の7種類を第1選択薬としながら、病態に応じて、使用が望ましい薬から使わないほうがよい薬までが表された。
(準備中)
1999.2
糖尿病の人が、40歳以上で400万人、10年後には、1,000万人といわれますが、それよりも多くの方が、血圧の異常を指摘されています。
WHO/ISHの基準、米国合同委員会第6次報告をみると、家庭血圧の正常上限は、125−135/80−85mmHgとされています。家庭血圧がこれ以上高いときには、降圧薬服用中であれば、降圧不十分と考えられます。また、薬を飲んでいない人は、高血圧の可能性が高いと考えられます。
白衣高血圧とは?
白衣高血圧とは、外来で計ると血圧が高くなる現象です。
白衣高血圧は、交感神経の過緊張のみであるからまたもとに戻る正常化するという考えと、白衣高血圧の背景は、持続型高血圧と同じで、予後は良くないと考えもあります。実際、腎臓でのナトリウム再吸収の増加、心筋左室重量の増加、左室拡張機能の低下などが、持続型高血圧の始まる前に起こっているという研究があります。心電図変化や、心臓肥大、蛋白尿などの臓器障害を起こしている可能性のある白衣高血圧のひとは、薬を飲みましょう。
フクダFM-200(デジタルウォーク)は、ICカードに心電図と血圧を記録できます。
今までホルター心電図、24時間血圧記録器は別々にありましたが、今回、ひとつの機械になりました。
2チャンネルの心電図記録と、200回の血圧を、40MbのICフラッシュメモリーカードに記録できます。また、身体活動状況を加速度センサーで記録できますので運動量の測定も可能となります。24時間心電図血圧記録器の図
高血圧を指摘された方といって、すぐ血圧を下げる薬(降圧剤)を飲むことはまずありません。(しかし、悪性高血圧といって、直ちに入院、強力に下げなければ命に関わるものもあるので、主治医とよく相談しましょう)
境界域高血圧、動揺性高血圧、白衣性高血圧などのはなしであれば、まず、医師、看護婦、栄養士、運動療法士などのチームでみます。
生活パターンのチェック
摂取カロリー、塩分摂取量などを正確に測ります。
過体重であれば、まず、体重のコントロールが大事です。
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大きく分けて,7種類の降圧剤があります。
(準備中)
古くは、中枢抑制剤(アルドメッド、レセルピンほか)などがあるが、現在は一部の症例を除いて使用されない。
利尿剤、β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬、カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン阻害薬、アンギオテンシンU拮抗薬がある。
利尿剤
カルシウム拮抗薬
カルシウム拮抗薬 Ca拮抗薬の作用機序は,筋収縮時のL型電位依存性Caイオンの細胞内流入を選択的に抑制して弛緩させる。第1世代は、ベラパミル(ワソラン)、ジヒドロピリジン系(アダラートなど)、ジルチアゼム(へルベッサー)があり、ベラパミルは、心臓の刺激伝導系を抑制する陰性変力作用が強く、ジヒドロピリジン系は、血管拡張作用が強く、ジルチアゼムは両方の作用を持つ。第1世代は、作用が急峻で血管拡張作用のために反射性頻脈、紅潮などの副作用がある。血管拡張の選択性を強くし作用時間を長くしたのが第2世代であり、さらに長時間型にしてTrough/Peak比を高くしたのがアムロジピンなどの第3世代である。さらに、L型のみならず、N型、T型チャンネルに作用するタイプや抗酸化作用、腎保護作用のあるものが開発されている。喫煙率が高く冠血管のトーヌスの高い日本人には冠攣縮型異型狭心症にはCa拮抗薬が有効である。日本では、降圧剤としてのCa拮抗薬の使用頻度が60%以上ときわめて高いが、狭心症、糖尿病、脳血管障害などの合併症をもつ高血圧には使いやすい。早期に降圧が得られ、使用禁忌となる病態が少ないが、ほとんどが肝代謝であり、高齢者は肝血流の低下がありクリアランスが低下しているので、長時間作用型のCa拮抗薬は投与量を減らす。欧米の大規模試験では、左室心筋重量の減少、血管内皮障害の改善が心血管イベント減少の最重要因子とされ、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬の順にこの作用がある。また、グレープフルーツ、フルーティーなどの果皮に含まれるフラボノイドのナリンジンがCYP3A代謝を阻害し作用が増強する(ジュースのみ)。また、マクロライド系抗生物質、シメチジン、イトラコナゾール、キニジン、テオフィリン、などとチトクロームP450などと作用点が競合するために併用には注意が必要である。1・短時間作用型のCa拮抗薬が、催不整脈作用、心筋虚血、低血圧、血小板凝集抑制などから心筋梗塞、死亡率を上昇させる、2・細胞内Ca流入抑制が細胞のアポトーシスを抑えるために悪性腫瘍の発症頻度を高めるとの報告が注目されるが、前向き試験ではないので確実とはいえない。
欧米と異なり日本には不安定狭心症の30%が有意な冠狭窄を認めない冠攣縮狭心症がある。最近、血管内皮型NO合成酵素(eNOS)活性が低下し、eNOS遺伝子に変異をおこしていることがわかり、これが欧米と異なりCa拮抗薬の反応性の差があると推定されている。
Ca拮抗薬を少量投与、起床時血圧が高いときは夜間高血圧も考え、夕食後投与、降圧不十分ならば、ACE阻害薬追加。頻脈には血管拡張作用の有するβ遮断薬を追加。再発予防に抗血小板薬(アスピリン、チクロピジン)
ABCD,FACETなどのトライアルでACE阻害薬がCa拮抗薬に比べて糖尿病合併の高血圧における心事故が少ないとされている。糖、脂質代謝,インスリン抵抗性を改善し、腎症合併糖尿病の尿たんぱく減少、GFRの改善などがある。さらに、アンギオテンシンU拮抗薬は同様の効果があり、ACE阻害薬で空咳がでる症例に有効で尿酸を下げる作用を併せ持つものもある(ニューロタン)
。
Ca拮抗薬の作用機序は,筋収縮時のL型電位依存性Caイオンの細胞内流入を選択的に抑制することにある。第1世代は、ベラパミル(ワソラン)、ジヒドロピリジン系(アダラートなど)、ジルチアゼム(へルベッサー)であり、最初に発見されたベラパミルは、心臓の刺激伝導系を抑制する陰性変力作用が強く、ジヒドロピリジン系は、血管拡張作用が強く、ジルチアゼムはほぼ両方の作用を持つ。第1世代は、作用持続時間が短く、血管拡張作用のため、反射性頻脈、紅潮などの副作用がある。これは改良されて、血管拡張の選択性を強くし作用時間を長くしたのが第2世代であるが、さらに長時間型にしてTrough/Peak比を高くしたのがアムロジピンなどの第3世代である。さらに、L型のみならず、N型、T型チャンネルに作用するタイプのものも出てきている。 喫煙率が高く冠血管のトーヌスの高い日本人には冠攣縮型異型狭心症が多く、Ca拮抗薬が有効である。日本では、降圧剤としてのCa拮抗薬の使用頻度が60%以上ときわめて高い。ひとつは、狭心症、糖尿病、脳血管障害などの合併症をもつ高血圧が多いために、比較的早期に降圧が得られ、使用禁忌となる病態が少ないためと考えられる。しかし、ほとんどが肝代謝であり、高齢者は、肝血流の低下から、Ca拮抗薬のクリアランスが低下しているので、長時間作用型のCa拮抗薬は投与量を減らす。欧米の大規模試験からは、左室心筋重量の減少、血管内皮障害の改善が心血管イベント減少の最重要因子とされ、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬の順番にこの作用がある。また、グレープフルーツ、フルーティーなどの果皮に含まれるフラボノイドのナリンジンがCYP3A代謝を阻害し作用が増強する(ジュースのみ)。また、マクロライド系抗生物質、シメチジン、イトラコナゾール、キニジン、テオフィリン、などとチトクロームP450などと作用点が競合するために注意が必要となる。1・短時間作用型のCa拮抗薬が、催不整脈作用、心筋虚血、低血圧、血小板凝集抑制などから心筋梗塞、死亡率を上昇させる、2・細胞内Ca流入抑制が細胞のアポトーシスを抑えるために悪性腫瘍の発症頻度を高めるとの報告が注目されたが、前向き試験がされていない。最近、抗酸化作用のあるCa拮抗薬も注目されており酸化脂質の減少、腎保護作用、糸球体輸出細動脈拡張による蛋白尿減少などの効果のあるものもある。
硝酸塩(亜硝酸)薬の作用機序は、NOを産生させて、主に静脈系の血管拡張をおこし、心臓の前負荷,後負荷を軽減し心筋の酸素需要を減らす。内因性のNOが細い冠動脈の拡張作用もあるが、亜硝酸薬は太い冠動脈のみを拡張する。全身循環が収縮期に流れるが、冠循環は拡張期に流れるという違いがある。NOは不安定なradicalで、半減期は3から5秒である。血管内皮に、ずり応力(shear stress)がかかると、血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)が活性化され、内皮から十分なNOがでてこないと、動脈効果、冠攣縮などがおきやすくなることがわかってきた。日本人に多い冠攣縮はこのeNOSの遺伝子異常が示唆されている。亜硝酸薬の耐性は,経口、経皮、静注のいずれのもある。安定狭心症に経口徐放型、経皮吸収型の亜硝酸薬が多く用いられるが有効であるかの判定は難しい。FDAの勧告により、すべての亜硝酸薬は血中濃度を変化させるほうが良い。硝酸薬の耐性は時間とともに回復するので、休薬時間をおいた間欠投与がすすめられる。発作の起きやすい時間にあわせ、耐性を防ぎつつ、発作予防に努める。ニトログリセリンは、firstpass効果が100%であるので、経口は適さない。舌下、スプレー、貼付、静注である。硝酸イソソルビドのfirstpass効果は80%程度であるので内服が可能となる。
β受容体とβblocker(べーたじゅようたいとべーたぶろっかー)
β受容体 自律神経は交感・副交感神経で構成され互いに拮抗・協調して不随意的に調節している。交感神経系の興奮により、神経終末からノルエピネフリンが、副腎髄質からエピネフリンが分泌され、遊離したこれらの物質を受容するのが受容体(レセプター)であり、α、βアドレナリン受容体と呼ばれる。最近の遺伝子クローニングによりα1、α2、βがさらに少なくとも3種類ずつ9種以上存在する。β受容体は、細胞膜を7回通過する1本鎖のアミノ酸糖タンパクである。β1、β2、β3にわけられるが、アミノ酸配列の相同性からはいずれも約50%とかなり高い。β1受容体は心臓、血管、大脳皮質にあり、心拍数増加、収縮力増加、刺激伝導系促進作用などがある。β2受容体は、毛様体弛緩作用、気管支筋弛緩(拡張)作用、冠動脈、動脈・静脈血管拡張作用、子宮弛緩作用、肝・骨格筋内グリコーゲン分解作用がある。最近、β3受容体が確認され、交感神経を介する脂肪分解に関する褐色細胞、腸管に存在する。
β遮断薬 降圧効果:β1遮断により、心拍数減少、心拍出量の抑制、レニン遊出抑制、中枢性β受容体遮断、シナプス前β受容体遮断による。 抗狭心症効果:心筋虚血は、心筋酸素需要が酸素供給を上回ったときにおきる。β遮断薬は、心拍数減少、動脈圧減少、心筋収縮力減少によって心筋酸素需要を減らせる。労作型狭心症に有効で、α1受容体は心筋収縮力増強もおこすため、α遮断作用もあるほうが好ましい。
Withdrawal syndrome:β遮断薬投与を急に中止すると、狭心症の増悪、血圧の再上昇が起きるが、β遮断薬投与により受容体数の増加が起きて、リバウンドがおきるので、徐々に減量する。
内因性交感神経刺激効果(ISA):安静時の心拍数低下、心機能の低下作用が少ないので高齢者には使いやすい。 抗心不全効果:拡張型心筋症に、常用量の10分の1ぐらいから使用すると、レセプター数のダウンレギュレーションにより劇的な改善が見られるときもある。
眼圧低下効果:β遮断薬は房水産生を減少させる。 抗不安効果:心悸亢進、振戦など精神性アドレナリン遊離の特徴を抑える。 β1選択性(心臓選択性)遮断薬:β2受容体には気管支拡張、末梢血管拡張、グリコーゲン分解作用がある。また、非選択性のβ遮断薬には、β2遮断によるインスリン分泌の低下、低血糖時のβ2受容体刺激によるグルカゴン分泌抑制による、低血糖からの回復遅延、カテコラミン分泌抑制による低血糖時の震え、動悸の症状が抑えこまれてしまう。
親油性のβ遮断薬 :血液―脳関門を通過するので、中枢作用が出現することがありうつ状態、悪夢がでることがある。また、高度の徐脈、房室ブロックの増悪をおこす。
気道抵抗の増加:気管支の緊張はβ2受容体を介してコントロールされる。喘息など慢性閉塞性肺疾の患者ではβ1選択性の薬剤でも1/50程度の作用は残るので原則禁忌となる。
脂質への影響:トリグリセリドの上昇、HDLコレステロールの低下など、好ましくないものもある。脂質代謝への影響:脂肪組織における脂肪分解抑制、肝でのVLDL合成、および長期的には自律神経の影響がある。TG>HDL>TCの順で影響する。
新しく開発されているβ遮断薬は血管拡張作用、脳血流維持、脳自動調節下限域の改善、血管拡張作用、血管平滑筋Kチャンネル開口作用Caチャンネル拮抗作用を持つ薬もある。
スポーツ関連では、β遮断薬服用時の心拍数の抑制を理解して、むやみに目標心拍数に追い込まぬことが大事である。射撃、弓道などで集中力を惹起するために服薬するとドーピングになることを理解することが必要である。
β1選択性 β2受容体には気管支拡張、末梢血管各庁、グリコーゲン分解作用があり、ASO,DM合併には使いやすい。
内因性交感神経刺激作用(ISA)は、安静時の心拍数低下、心機能の低下作用が少ないので高齢者には使いやすい。
親油性のβ遮断薬 は、血液―脳関門を通過するので、中枢作用が出現することがありうつ状態、悪夢がでることがある。また、高度の徐脈、房室ブロック、心不全の増悪をおこす。長期に使用している場合、リバウンドがおきるので、急な中止は狭心症を増悪させることを理解して徐々に減量する。
労作時狭心症
心筋虚血は、心筋酸素需要が、酸素供給を上回ったときにおきる。β遮断薬は、心拍数減少、動脈圧減少、心筋収縮性減少によって心筋酸素需要を減らせる。α1受容体は心筋収縮力増強もおこすため、α遮断作用があるほうが有利。αβ遮断薬は好ましい。禁忌 安静時(冠攣縮)狭心症、ジヒドロピロリン系のCa拮抗薬を使用している例、糖尿病、高脂血症(ISA(-))、心不全、閉塞性動脈硬化症、喘息などCOPD
β2遮断によるインスリン分泌の低下、低血糖時の、β2受容体刺激によるグルカゴン分泌抑制による、低血糖からの回復遅延、カテコラミン分泌抑制による低血糖時の震え、動悸の症状が抑えこまれてしまう。
脂質への影響トリグリセリドの上昇、HDLコレステロールの低下。
脳血流の低下、脳自動調節下限域の上昇をもたらすが、新しく開発されているβ遮断薬は血管拡張作用、脳血流維持、脳自動調節下限域の改善をもたらす。
狭心症合併糖尿病において、β遮断薬を併用するときにはβ1選択性またはα1遮断効果をあわせもつもの(アルマール)などを少量用いる。
拡張型心筋症には、常用量の10分の1ぐらいから使用する。劇的な改善が見られるときもある。
angiotensinUantagonist (A2Aと略す)には、現在、Losartan(ニューロタン),Carvastan(ブロプレス、 )が上梓されていますが、世界では、Valsartan...などが発売されています。EBMなど、trialに基づいた治療が求められていることもありますので、その成績も合わせて紹介しました。
一昨日、小さな講演をしましたのでpowerpointの題字だけ上梓します。
心膜炎は、感染、外傷、膠原病、放射線治療、腎不全、肺がん、乳がん、悪性リンパ腫、白血病などの悪性腫瘍、低蛋白血症、アミロイドーシス、甲状腺機能低下、人工透析などが原因となる。心タンポナーデをきたせば、心膜穿刺による貯留液排除が必要となる。細菌性は、心内膜あるいは弁膜に疣贅とよばれる起炎菌の感染巣があり,おおくは、先天性・後天性心疾患、弁置換後などの心の基礎疾患を有するものに発症し全身に多彩な症状を惹き起こす。感冒の診断で、抗生剤の短期投与の後、再び発熱を繰り返す場合は本症を疑う。血栓塞栓による諸症状(Osler結節斑、Roth斑など)は有名であるが、聴診による心雑音心膜が粗造になっておきる心膜摩擦音、心エコーによる、心膜液の貯留・疣贅の検出がすすめられる。結核性のものはしばしば血性であり、菌の検出も困難で、診断は難しい。また,収縮性心膜炎への移行もあるのでステロイド併用が必要になる。収縮性心膜炎は古くは、結核性、最近は開心術後に多いが、心室の拡張障害が本質で心膜切除など外科処置を必要とする。ウイルス性心膜炎は、感冒症状に引き続いて、胸痛、いきぎれなどで気がつく。心電図に変化が出てくると、炎症が心筋にまで及んでいることを示す。聴診,心不全兆候の確認、心エコーで壁運動と、心膜液の貯留に注意する。直接証明は、心膜穿刺による心膜液からウイルスの存在、間接的には、血清ウイルス抗体価の上昇、咽頭ぬぐい液のウイルス分離によって得られる。運動選手にとってこの時期に激しいトレーニングをすることは、心機能の低下・致死的不整脈を誘発する危険があり禁忌である。
抗血栓療法には、線溶療法、抗血小板療法、抗凝固療法の3法がある。線溶療法は、血液凝固のカスケードの活性化を抑制し、血栓の生成・増大を防ぎ、すでに形成されたフィブリンネットワークを分解し、血栓を縮小消失させる治療法である。抗血小板療法も、血液凝固カスケードの活性化を抑制する。主に動脈系に形成される血小板とfibrinで構成される白色血栓は,この抗血小板療法が有効である。 抗凝固療法は、静脈系や鬱滞した動脈系に多い活性化した凝固系の産物であるfibrinが主体の赤色血栓を融解させる治療である。深部静脈血栓症の予防(長期臥床、術後など)、肺塞栓症、急性心筋梗塞、不安定狭心症、人工弁置換後、心腔内血栓症、心房細動、DICなどが適応である。抗凝固薬使用には血液モニタリングが必要である。トロンボテスト(TT)を用いるが、試薬により治療効果の比較ができないため、現在ではINR(international
normalized ratio)で、INRで二つの治療域(高、低)が設定され、血栓症の少ない日本ではINR3以下の低治療域(TT10-16%)が推奨されている。代表薬のワーファリンは、vitaminKと拮抗し作用が安定するまでに一週間かかる。また、投与初期に一過性の凝固亢進があるために、抗凝固の導入にはヘパリン併用が必要である。
ワーファリンのほかに、ヘパリン、ATV製剤、FOY,フサンなどがある。 循環器疾患のリハビリ目的の場合や一般のスポーツ愛好家にはこれらを服用するものが多いので、熟知することが必要である。また、骨粗鬆症で用いられるVitK拮抗薬はワーファリン服用者では禁忌となる。
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