00/12/09 更新
HATORI CLINIC
1133-15,kashimada,saiwaiku,kawasaki TEL&FAX 044-522-0033
一側迷路障害(急性期)
一側迷路障害(慢性期)
両側迷路障害
脊髄小脳変性症
脳 幹 障 害
(1)外周面積
外周を囲む線で包まれる面積であり,めまい,平衡障害の程度を検査する。
(2)単位面積軌跡長(総軌跡長/外周面積)
姿勢制御の微細さを観察し,脊髄固有の反射性の姿勢制御を検査する。
(3)動揺平均中心偏位(X軸−左右動揺)
迷路障害などで生じる身体の筋緊張の左右差によるかたより現象を検査する。
(4)動揺平均中心偏位(Y軸−前後動揺)
抗重筋緊張の亢進,低下で現れる姿勢の異常による前後へのかたむきを検査
する。
(5)ロンベルグ率(閉眼外周面積/開眼外周面積)
視覚による姿勢の制御を評価する。 後索路,脊髄小脳路,迷路障害を検査
する。
横浜日赤病院新井先生の講義を中心にまとめました。
身体の平衡感覚は内耳の前庭部(三半規管、耳石器)により保たれています。
三半規管内に運動が加わると,リンパ液が流れ,その刺激が前庭神経を経て小脳に伝わり,小脳からさらに大脳皮質に達して運動の方向を知らせます。
平衡感覚の障害時にはめまい,歩行失調などが起こります。
めまいは色々な原因で起こりますので,検査を受け,早めに治療することが大切です。
1.めまいの原因となる病気
(1)末梢前庭系障害 @内耳障害 :内耳炎,メニエール病,突発性難聴, 薬の影響(ストレプトマイシン)
A内耳神経障害:前庭神経炎,聴神経腫瘍
(2)中枢神経系障害:脊髄小脳失調症,脳腫瘍,小脳腫瘍,脳幹腫瘍
(3)循環器障害 :動脈硬化症,高血圧,低血圧,起立性低血圧
(4)視覚障害 :外眼筋麻痺,眼鏡不適合
(5)心因性障害 :自律神経失調症,神経症,うつ病
(6)その他 :貧血,血液疾患,更年期障害
2.検 査 (1)重心動揺検査・・・平衡機能検査の一つであり,最も基本的な検査である。両足をそろえ,両足先を接してまっすぐ立ち,眼を開けて平衡がとれたら,目を閉じて約1分間ずつ行う。
身体の動揺の有無,その程度および転倒方向を検査する。
(2)耳鼻科,脳外科,心療内科の精密検査
3.症 状
・自分がぐるぐる回る感じ ・立ちくらみ ・眼がふるえる
・天井や壁が動く感じ ・耳鳴りがする ・一方によろける
・頭痛,吐きけ,嘔吐,冷汗,食欲不振,不眠をともなうこともある。
4.予防と治療
(1)ストレスや過労を避け,睡眠は規則的に充分とりましょう。
(2)食事は刺激の少ない,塩分控えめのものにしましょう。
(3)便秘にならないように予防しましょう。
(4)静かな環境を整え,心身ともに安静を保つことが大切。(騒音,振動,照明)
(5)廊下や階段等に手摺を付けたり,人の助けを得て転倒しないようにしましょう。
(6)めまいの運動療法を行いましょう。
(運動療法はパンフレット,ビデオを参考)
(ビデオは「貸し出し」をしております)