たばこでリスクが高まる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の早期診断チェックシートを相澤久道・久留米大教授(呼吸器・神経内科)らが作った。31日の世界禁煙デーを前に、注意を呼びかけている。 COPDは肺に炎症が起き、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が壊れたり、気管支が細くなったりする病気。日本人の死因第10位で、世界保健機関(WHO)も2020年には世界の死因第3位になると予測している。 せきやたん、息切れなどが主な症状で、静かに進行し、やがては呼吸不全になる。国内の患者は500万人以上と推定されるが、風邪や年のせいと思って見過ごし、受診した時は重症であるケースも多い。 チェックシートは世界家庭医学会が認定したものを、相澤教授らが訳した。対象は40歳以上の喫煙者(過去喫煙者も含む)。年齢やたばこの本数、体重を身長の2乗で割った肥満度指数(BMI)など8項目38点満点。17点以上だとCOPDの可能性が高い。ぜんそくなど別の病気と区別するための質問もある。 「早期発見できれば、運動や食事療法、薬によって進行を抑え、生活の質を改善できる。16点以下でも、気になる人は専門医に相談してほしい」と相澤教授は話している。 ASAHI.COM 0606から ◇ ■COPDの早期診断チェックシート■ (1)年齢は? 40〜49歳 0点▽50〜59歳 4点▽60〜69歳 8点▽70歳以上 10点 (2)(1日のたばこの本数)÷20×(喫煙年数)は? 0〜14 0点▽15〜24 2点▽25〜49 3点▽50以上 7点 (3)BMIは? 25.4未満 5点▽25.4〜29.7 1点▽29.7超 0点 (4)天候でせきがひどくなることは? ある 3点▽ない 0点 (5)風邪ではないのにたんがからむことは? ある 3点▽ない 0点 (6)朝起きてすぐにたんがからむことは? よくある 0点▽ない 3点 (7)ゼイゼイ、ヒューヒューすることは? 時々・よくある 4点▽ない 0点 (8)今までにアレルギー症状は? ある 0点▽ない 3点 ※合計17点以上はCOPDの可能性が高い(相澤久道・久留米大教授らによる) |