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病気の一口メモ        気管支ぜんそく

 

 

 気管支ぜんそくは気道が狭くなり、そこにたん

などが引っ掛かったりして肺に十分な空気が送ら

れなくなり、呼吸困難になる病気です。

原因は、昔はアレルギーだと考えられていました

が、最近はそれが慢性の気道の炎症であることが

わかってきました。

 

 

 気道には、せきを起こす神経の末端があり、

その表面はふつう粘膜などで覆われています。      【ピークフローメーター】

ところが何かの原因で気道の組織が炎症を起こすと、気管支の表面の細胞が剥がれ、わずかな刺激にも過敏になります。

気道の炎症が慢性化すると、周囲の組織や筋肉層が肥厚化し、気道が狭くなります。

これにダニやホコリ、花粉、ペットの毛やフケ、ウイルス感染などの外的な因子のほか、ストレスや温度変化などの内的因子が引き金となり発作を起こすようになります。

 

炎症が軽い時期に、例えば「ちょっと胸が重苦しい、せきが長引く」という早い時期に治療を受ければ、元通りになる可能性も高く、ぜんそくにも早期の発見・治療が大切です。

気管支ぜんそくは一般人口の3〜4%にみられる比較的多い呼吸器の病気です。そして昔は子供の病気と考えられていましたが、最近は大人になってからでも出てきます。

 

 

症状:発作性のせき、呼吸困難、発作は夜半〜早朝にかけて悪化する場合が多い

 

検査:胸部X線、心電図、呼吸機能検査

   血清検査・RIST―アレルギーの病気の有無

[血液中の総IgE(免疫グロビリンE)濃度を測定]

RAST―原因となっているアレルゲンを調べる

(原因物質ごとに血液中にIgE抗体が出ているかを測定)

 

治療:静脈注射(テオフィリン、ステロイド薬)、

内服薬(β刺激薬)、ネブライザー吸入(β刺激薬)、スプレー吸入(β刺激薬)

 

急性発作への対処法

     呼吸困難のため横になっていられず起座位(座って前かがみの姿勢)をとり、歩行、会話も困難な場合、スプレー吸入(β刺激薬)を2〜4パフ吸入、または

内服薬を服用して、30分以内に改善しなければ受診します。

意識障害がある場合は、救急車を呼びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

生活の注意

(1)鍛錬療法

@     皮膚摩擦―タオルから始めナイロン、亀の子タワシへと変えると有効です。

暖かい部屋で皮膚が赤らむまで10分くらいこする。

A     運動療法―ジョギング、水泳など。最初は苦しいこともあるが続けることが

大切。

   Bぜんそく体操―腹筋や呼吸筋の運動を組み合わせて、毎日の日課として

5〜10分位時間を決めて行なう。

 

  (2)環境を整えましょう。

@部屋の掃除を毎日徹底して行なう。ふとん掃除用のクリーナーを使用。

Aダニの住みかになりやすいじゅうたん、カーテンは止め、フローリングや

ブラインドがよい。

B     ふとんは十分に太陽光線に当てて、ダニの繁殖を抑える。

C     ダニ繊維のシーツ、ふとんカバー、枕はスポンジを使用。

D     犬や猫は毛などがアレルゲンになるため飼わない。

E ふけ、髪の毛、食べ物のカスはダニの繁殖の基となるので注意する。

F 禁煙は必ず実行する。

G     粉じんやガスなどが、生活の周囲にあるときはぜんそくの発作の原因に

なるので対策を取る。場合によって転職、転地を考える。

 

(3)ぜんそく発作が起きやすい誘因に、注意しましょう。

@外出より帰宅した時、うがい、手洗いを習慣とし、かぜを予防しましょう。

 A気温が急に下がる明け方や温度変化の激しい季節の変わりめは、保温に心が

けましょう。

 B過食、アルコールは発作を誘発するので注意しましょう。

 C気管支ぜんそくの人の中にはアスピリンにより、ぜんそく発作を起こす人が

います(アスピリンぜんそく)。かぜをひいたとき、アスピリンや鎮痛解熱剤

は絶対に服用しないようにしましょう。

 

  (4)ぜんそく日記をつけ、自己管理をしましょう。

発作の程度、自覚症状(せき、たん、睡眠の度合いなど)、

スプレー吸入や服用した薬の種類や量、ピークフローメーターの値

    *ピークフローメーター

      呼吸するときの、瞬間にはき出すことのできる最大の息の速さを

測定します。気道が狭くなってる場合は、数値は下がります。

一日に何回か計り、変動の幅を記録することにより、症状の悪化

や発作を正確に予測します。

 

(20019)

 

mailto:yutaka@hatori.or.jp      http://hatori.or.jp/