糖尿病における検査値の見方 (V0.9)    00/02/04      はとりクリニック 看護婦 伊藤

1 尿糖・尿ケトン体

   尿糖が陽性となるのは160180mg/dl以上のときです。

  尿糖が陰性でも血糖が正常とはいえません。大切なのは血糖であり尿糖はあくまで血

  糖値を知る上での補助的な検査です。

  また尿ケトン体は、インスリン作用の働きが悪くなるとブドウ糖の利用が鈍り脂肪分

  解が促されその結果、ケトン体が排泄されるのです。

2 血液検査

血糖値(mg/dl)……………………空腹時・食後2時間値

ヘモグロビンA1c………………過去1〜2ヶ月の血糖コントロールの善し悪しを知

               る大切な検査です。(平均血糖値)

血清フルクトサミン……………ヘモグロビンAcよりも短時間の血糖コントロール

               の善し悪しを知る検査です。

  4)1.5AG……………………………数日単位での血糖変動の目安となります。

   (1.5アンヒドログルシトール)     正常・異常との境界域の判断の目安となります。

インスリン………………………膵臓からのインスリン分泌機能を見る検査です。

GAD抗体……………………インスリン依存型糖尿病の予知マーカーとしての検査です。

3 血糖コントロールの目安

  

検査項目

正常値

異常値

血糖値

     (mg/dl)

食前     食後1時間

60110 160以下

食前    食後1時間

110以上   160以上

HbA1c (‰)

4.35.8

5.9以上

フルクトサミン

2.02.8

  2.8以上

1.5AG (CG/M)

   14.046.0

   14.0以下

インスリン

9.7±0.75

 

抗AD抗体 (U/ML)

L4.9

 

 

糖尿病のコントロールは、ただ単に血糖値が正常であるとか、尿糖が(―)であるだけの問題ではなく、高血圧・肥満・高脂血症などを防止する上でも全身の健康管理として大切なことです。                   

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