呼吸器の病気   資料を集めています。 00/02/04 準備中

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かぜと気管支炎

喘息

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ピークフローメーターの利用の仕方

過呼吸症候群

ペーパーバッグ法  HATORI_00002.JPG (55129 バイト)

 

肺高血圧

 

慢性呼吸不全

 呼吸不全とは、「原因を問わず、動脈血ガス、特に酸素(O2)と炭酸ガス(二酸化炭素、CO2)が異常な値を示し、そのために生体が正常な機能を営めない状態」と定義されています。
動脈血酸素分圧(PaO2)は、若年健康者でほぼ100Torr(mmHg)、老年健康者で約80Torrです。健康者の動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は、40Torr前後に維持されます。
炭酸ガスが動脈血中に異常に増加した(45Torr以上の)ものをU型呼吸不全、それ以外のものをT型呼吸不全と呼びます。
慢性呼吸不全とは、病状が安定している時、室内空気吸入下で、動脈血酸素分圧60Torr以下の状態が1カ月以上持続する状態をいいます。
呼吸不全の症状は、労作時息切れ、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼ、むくみ、体重減少、ばち状指などです。呼吸不全が長く続くと、肺血管の抵抗が増加して肺高血圧症が起こり、右心不全、肺性心を伴います。また、低酸素血症のため造血機能が亢進して多血症になります。
安定期の治療は、禁煙、過労を避けること、気道感染の予防と早期治療、呼吸訓練などの呼吸リハビリテーションと栄養療法ですが、肺高血圧症の進行を遅らせる為に在宅酸素療法が必須です。(

 

慢性閉塞性肺疾患COPDChronic Obstructive Pulmonary Disease)

 慢性閉塞性肺疾患とは、慢性気管支炎あるいは肺気腫によって引き起こされる、呼吸器機能上の閉塞性換気障害を特徴とする疾患の総称です。両者はしばしば混在します。
 慢性気管支炎は、病期が2年間以上で、少なくとも年間3カ月以上、せきやたんの症状が続く病態を言います。
 肺気腫は、終末細気管支より末梢の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴う病態です。初発症状は労作時の息切れで、多くは50歳以降に発症します。胸部X線写真では、肺の過膨張所見(フィルム上、肺が黒く写り、血管の陰影が見えにくい)を認めます。
 急性増悪時には、せきの増強、膿性たん、喘鳴、呼吸困難が認められ、時に発熱します。さらに進行すると、チアノーゼ、低酸素血症、高炭酸ガス血症、右心不全による浮腫(肺性心)がみられます。
 安定期の治療は、第一に禁煙です。それから、呼吸訓練、たんが多い場合は排たん療法、栄養管理、風邪の予防と早期治療です。閉塞性換気障害を改善するために、抗コリン薬、気管支拡張薬、吸入ステロイド薬の定量噴霧器による吸入療法または、内服です。呼吸不全が進行した場合は、在宅酸素療法(HOT)を行います。感染を併発すれば、抗生物質や抗菌薬、去たん薬の治療が必要です。さらに、急性増悪時には、入院で、酸素吸入、テオフィリン、強心剤、利尿剤、ステロイド剤などの点滴治療などを行います。

 

 

 

経皮的動脈血酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)

動脈血酸素分圧(PaO2)を測定する代わりに、動脈血の酸素化レベル(動脈血酸素飽和度、SaO2)と脈拍数を、簡単に、即時に、連続的に、かつ非侵襲的に、測る器具です。
センサーで指先を挟み、指に波長の異なる2種類の光を当て、透過した光の量を測定することにより、動脈血酸素飽和度を算出します。動脈の拍動は血液流量の変化によります。動脈血と静脈血や軟部組織とを識別するには、脈拍に一致して拍動する動脈成分に着目することによります。
麻酔や集中治療のモニター、循環不全や呼吸不全の患者さんの管理、特に在宅酸素療法には欠かせません。
動脈血酸素飽和度と動脈血酸素分圧の関係は、酸素解離曲線で示されます。動脈血酸素飽和度は通常97〜100%です。
PaO2の55TorrはSaO2の88%に、PaO2の60TorrはSaO2の91%に相当します。

 

 

特発性間質性肺炎の慢性型(肺線維症)

原因不明で、息切れ、乾性咳嗽(たんを伴なわないせき)を主症状とし、胸部レントゲン写真上、全肺野にびまん性に両側性に、小粒状、小輪状、粗大輪状影などを認めます。呼吸機能検査では、拘束性換気障害があり、病理学的には、肺胞隔壁の炎症性変化や繊維性肥厚で始まり、繊維化が進行して蜂窩肺となり、やがて低酸素血症が進み、呼吸不全、あるいは合併する肺がんにより死に至る、予後の極めて悪い疾患です。
肺の繊維化に対する薬剤はないので、進行がゆっくりしている安定期は、禁煙、気道感染の予防、過労を避けることなどが大切です。慢性呼吸不全に対して、在宅酸素療法を行います。
急性に進行する時には、ステロイド大量療法、無効の時は免疫抑制剤の投与を試みます。

 

 

在宅酸素療法の適応基準(社会保険)

1. 諸種の原因による高度慢性呼吸不全または肺高血圧症の患者のうち、安定した病態にある退院患者および手術待期の患者について、在宅で患者や家族らが酸素吸入を実施するもの。

2. 対象となる患者は、動脈血酸素分圧55Torr(mmHg)以下の者(経皮的動脈血酸素飽和度測定器:パルスオキシメーターによる酸素飽和度から求めた動脈血酸素分圧で代用して良い)および動脈血酸素分圧60Torr以下で睡