甲状腺機能亢進症(バセドウ病)  00/02/04更新 佐々木看護婦 記

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とは,甲状腺ホルモンの合成と分泌が高まることによって起こる異常をいいます。

 

[A]症 状:動悸(胸が締めつけられる,心臓がドキンドキンする)

       著しく体重が減少し痩せる,食欲がすすむ

       手指のふるえ,発汗,目が大きくなる

       神経が過敏になりイライラする

[B]内服薬:治療薬    :メルカゾ−ル

       交換神経抑制薬:メインテ−ト,テノ−ミン

       精神安定剤  :ソラナック,デパス

       ビタミン剤  :ユベラN,ノイロビタン,ビタミンC

[C]日常生活で注意すること

    1)内服について

      (1)少しずつ薬を減量して内服することがありますが,

        指示に従って規則正しく内服して下さい。

        また症状が軽減しても,内服を中断すると再発することが

        ありますので,規則正しく内服を続けて下さい。

      (2)副作用について

        白血球が減少することもあり,血液検査が必要になります

        ので,月に1回は必らず受診して下さい。

         (白血球減少症の発症頻度は0.1%位)

        白血球は体内に病原菌が侵入したとき,病原菌を殺す働きが

        ありますので,白血球が減少すると感染に対して抵抗力が

        なくなります。

        高熱,のどの痛み,全身がだるい等の症状が出たら内服を

        中止し,直ちに連絡するか,受診して下さい。

    2)食事について

       栄養のバランスに心掛け,規則正しく摂りましょう。

      甲状腺機能が亢進している初期の頃は栄養価の高い食品,

      ビタミン,ミネラルの多い野菜などを十分摂りましょう。

       但し,腸の動きが高まっている下痢,軟便の時は過食を慎み,

      消化吸収の良い食べ物を摂りましょう。

    3)目の症状が強い時は光線から保護するため,サングラスを使用する

      ことを勧めます。

    4)心身の安静が大切ですので機能が正常になるまでは激しい運動,過労      は避けた方が良いです。

 

 

 

                       はとり内科クリニック(001)

 

甲状腺機能低下症(橋本病)

 

甲状腺機能低下症とは,甲状腺ホルモンの合成と分泌が低下することによって

起こる異常をいいます。

 [A]症 状:むくみ,身体がだるい,声がかすれる,難聴,

        動悸(胸が締めつけられる,心臓がドキンドキンする)

        息切れ,寒がりになる,抜け毛が多くなる,便秘

        体重が増加する,食欲が低下する,動作が緩慢になる

 [B]内服薬:チラ−ジンS

 [C]日常生活で注意すること

     1)内服について

       (1)指示に従って,規則正しく内服しましょう。

       (2)副作用について

         手指のふるえが出ることがあります。

         症状が出たら内服を中止し,受診して下さい。

     2)食事について

        栄養のバランスに心掛け,規則正しく摂りましょう

       血液中のコレステロ−ルが上昇し,高脂血症の傾向になります。

       コレステロ−ルの多い食品を控えめに摂りましょう。

        (卵,レバ−,いか,たらこ,すじこ,うに,えび等)

       便秘のときは十分な水分と繊維の多い野菜などを摂リましょう。

        (果物,野菜,豆類,いも類,海草類等)

     3)皮膚が乾燥しているため入浴時は石鹸を使わない方が良いです。

       ロ−ション,クリ−ムでよくマッサ−ジしましょう。

 

 

 

                       はとり内科クリニック(002)