1999−2000 の インフルエンザ情報 について  

               00/08/30 更新

インフルエンザ と ワクチン接種 の知識

 


Influenza cases reported per sentinel weekly 【定点当り報告数】

 


 

HAMAMED 小児科 山本先生の インフルエンザのお考えです。

大変示唆に富んでいると思います。

>>

ことしのインフルエンザをみて、次のようなことを考えました。

1.乳児や1才児でもワクチンを受けるとかなりよく抗体はtakeする。

  B型も含めて・・・

2.低年齢児でワクチン接種歴のある子はかなり高率に罹患すると発熱し、40℃もまれでは

  ないが、第3病日には解熱することが多い。

3.低年齢児でワクチン接種歴のある子の第2病日で熱の高い子は、ワクチン接種歴の無い 

  子に比べ、食欲が違う。突発かいな?と思うくらいのことも多い。

4.二峰性発熱の第2回目の発熱はほとんどが第5病日らしい。

  無熱期が1〜2日というが、第3病日に解熱した子は無熱期が2日、第4病日に解熱した

  子は無熱期が1日。

5.抗体価が高くても罹患することは罹患するようだ。ただ極めて症状が軽いだけだろう。

  これは自分が3つの型すべてに1024倍なのですが、鼻水とちょっとだるいだけで、▲マー

  クがでたから実証済み。熱も出ない。その日は休診日でテニスもした。講演もした。救急外

  来夜勤もして帰ったのが翌日1時過ぎ。その後やや咳が多いが元気。

  ただ、テニスでミスショットが多かった。これは▲の影響かもしれないが、この症例の場合、

  ショットに安定さがなく、普段からミスの多い日もあり、必ずしも▲の影響とは断定しにくい

  と思われる。なお一層の練習が必要だろう。

6.抗体価によって症状がかわるのは理解できるが、それに加え、年齢要素もかなりあると思う。

  つまり低年齢は発熱しやすいが、それは抗体が低いからというよりも年齢要素もかなり重要

  なのではないか。

  罹患前抗体価と症状のグラフをつくり、それを年齢別に分析すればわかるでしょう。

7.5の経験を通して、ワクチンの効果を感染するかいなかで考えるのは無理だと思った。

  我々がインフルエンザと言っているのは単に重いインフルエンザだけであり、軽いかぜ症状

  のインフルエンザはいくらでもいるのだろうと思う。

8.ワクチンの効果を考えるのだったらやはりエンドポイントに脳炎をおかなくてはならないのだ

  と思う。これだけたくさんワクチンをやったので、何%の乳幼児がやったのか。本当はそれを

  知りたい。その上でじゃあ脳炎は何例でて、そのうちの何%がワクチン接種歴があったのか、

  そのへんが大事だと思った。

  

9.これだけワクチン接種者とそうでない子をみていると、客観的にみても重症度が違うのが手

  に取るようにわかる。

  今年があまりに大変だったので、来年はワクチン接種枠を減らそうかと思っていたが、一般

  診療枠を毎週半日分削ってでも予防注射をするメリットがあるのかもしれない。もう一度考え

  なおさなくてはと思うようになった。

 

1月11日のテレビ朝日のニュースステーションで、ヨーロッパではインフルエンザが大流行していると報道されてます。

http://news.bbc.co.uk/hi/english/health/newsid_598000/598598.stm

http://news2.thls.bbc.co.uk/hi/english/world/americas/newsid%5F594000/594997.stm

 

上記2つの記事(BBCニュース)によれば、イギリスでは過去10年で最悪の流行といい、アメリカでもひどいそうです。

流行しているウイルスの型はA香港型のシドニー株で、去年日本を含め世界中で流行したのと同じ株です。

年末年始にかけて、とくに小児科では嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)が大流行しました。

http://idsc.nih.go.jp/kanja/weeklygraph/Influ.html

http://idsc.nih.go.jp/kanja/infreport/99-20infl-7h.pdf

  

1999.12.5 追記

岐阜、神奈川、横浜で4例、インフルエンザAが検出されています。

東京でも学級閉鎖が出てきました。

都衛生局HP、インフルエンザウイルス情報:

http://www.tokyo-eiken.go.jp/topics/influenz.html

 

1999.11.30 追記

厚生省情報です。

今冬のインフルエンザ総合対策について

http://www.mhw.go.jp/topics/influ99_11/index.html

1999.11.26 追記

吉岡春紀@玖珂中央病院 先生 からです。

インフルエンザ情報ページ

http://www.bekkoame.ne.jp/~haruki3/inful2.html

牧瀬@かごしま  先生 の情報です。

GW社の大元のイギリスNational Health Serviceの見解が、日

本語訳になってました。他国の対応も書かれてるので役立ちます。

http://idsc.nih.go.jp/others/osirase3.html#zana

この薬の使用に当たり、考慮に値する一根拠として、すでに発表された任意抽

出研究で、この薬が有効であることが示されたのが、生来健康なひとたちであっ

て、このような薬により最も恩恵を受けるであろう老人や、有基礎疾患患者な

どハイリスク群の人々でなかったことがあげられる

 

さらにFDAの見解から

Zanamivirの投与にて軽度あるいは中等度気道痙攣が生じる可能性さえある。

当該患者には可能性を説明しとく必要があるだろう。

ということを追加しときます。

1999.11.10 追記 

インフルエンザの流行

A/福島株様のシドニー株なら高齢者で感染拡大の危険、B型にも注意

 国立感染症研究所感染症情報センターは11月17日、11月12日現在のインフルエンザ

抗体保有状況の速報をホームページに掲載した。11月4日発表分より4県増え、神奈

川、静岡、福島、山形、富山、長野、高知、宮崎の8県からの報告をまとめたもの。

 速報によると、流行する可能性が考えられるのは、これまで3年間流行がなく各年

齢群における抗体保有率も低いA/ソ連型(H1N1)。また、A/福島株様の、シドニー株

から変異したウイルス株が流行した場合には、シドニー株に対する抗体価の低い高齢

者の間で感染が拡大する恐れがあると指摘、ワクチン接種が必要と呼びかけている。

 一方、A/香港型(H3N2)やA/シドニー類似株については抗体保有率が高く、これら

が主流になれば流行は大きくならないと予想している。B型については、ワクチン株で

あるビクトリア系統のB/山東株や、昨シーズンのワクチン株系統のB/山梨株に対して

も抗体保有率は低いため、B型に対する注意も必要という。

 詳しくは、 

http://idsc.nih.go.jp/yosoku99/FlusokuJ/Flusoku-1.html

 まで。

 

病気のひとくちメモ    インフルエンザ ワクチン    について

             はとりクリニック  1999.11.1

 

 国立感染症研究所ウイルス製剤部の田代真人先生のおはなし です。

 

 1.米国老人入所施設の死亡が、ワクチンによりインフルエンザ   関連の死亡が1/5に減る。

 2.現在のHAワクチン=スプリット ワクチン=エーテル処理で、ウイルスをバラバラにした。これで、

   重大な副作用は200-300万人に一人に減った。

 3.厚生省の救済制度は、怪しい物は、救済する方針なので、 データー上件数が増える。

 4.過去、数年間は、株の予測がほぼ当たっている。

 5.個人防衛に効果はあり、集団防衛には効果がない。 後者しか、マスコミに報道されなかった、経緯がある。また、マスコミで話題になったワクチンは、スプリット ワクチンでない時代の古い世代の物。

 6.普通の風邪は、予防できない。

 7.2回打ちがよいが、1回でもある程度の効果はある.

   免疫が正常で基礎免疫を持った人は1回でよい。

          即ち、(1)毎年打っている。=去年は2回打った、その後。

              (2)近い過去に同型の感染を受けた。(感染既往)

     オプション   (3)今までの流行をくぐり抜けた人、普通の健康成人

     (これはお勧めでなかった。理由=抗体上昇が10%の人で不良)

 8.安定剤のゼラチンは不活化ワクチンでは不要。そのうちこれに統一されるだろう。

   ゼラチンよりも、少量の水銀を含むチメロサールという防腐剤が入ることに注意。

 9.現在接種の注意に書かれている基礎疾患のある人。積極的に打つべき対象であるはずなのに、

実質的に説明書とギャップ有り。積極的にリサーチを始めているとのこと。

 10. 乳幼児に対する安全性有効性の検討(研究)も、開始されている。

 11.妊婦に対しては、

3rd trimesterとfluシーズンが重なると、確かにリスク大!。 

 15.今年のワクチンは、2回打ちで360万人分。

16.      特に、小児に脳炎・脳症による死亡=昨シーズン217例の報告有り。 実際は、500〜1000例

   1−5才に多い。

   発熱→痙攣→死亡が、24-48時間とあっという間。

   ライ症候群(低血糖,高アンモニア血症)は一桁止まり。

   死亡までが早く、剖検がされない例が多い。  男児の予後が悪い。

 

 

全国感染症センター

横浜市衛生研究所

東京都立衛生研究所

 

かぜの一般的な注意をまとめました。

昨年年末から、インフルエンザ疾患が猛威を振るっています。10月から、インフルエンザワクチンを接種してきましたが、一部、変異株と思われる効きにくい例が出てきています。 現在は、主に、A型インフルエンザで、成人は、シンメトレル(アマンタジン)という薬が保険適応になりました。この薬の投与で、二日ぐらいで解熱しますが、耐性株の出現や、咳が残る例も多いようです。づつう、吐き気、眩暈、不眠などの副作用がえることもありますが、1%以下です。

 まだ、まもなく、A型、B型のいずれにも有効なノイラミダーゼ阻害薬の吸入スプレーが、1999.12から日本でも発売されます。

また、小児には保険適応となっていませんが、インフルエンザ脳炎という致命的な病気を引き起こすため、欧米では、積極的に使われています。

また、A型の流行ったあとにB型が出てくる可能性が高いのです、十分に注意しましょう。

ワクチン接種について。

この冬のの予防接種は、A型のものです。約3週間で免疫が作られますが、大人は2から4週間明けて2回打つのが原則です。小児は、4週間あけてください.

前の冬にも打っている人は、1回でも有効です。

ホームページをいくつか紹介します。

厚生省

国立感染症センター